●遠い道のりの家●

SDレビュー1996



主催:鹿島出版会
提出:1996.07.08.



*コンセプト*

住人:目の見えない女性+彼女の両親+彼女の弟家族
条件:目の見えない女性に対して配慮すること

ここは、30年ほど前に計画されたニュータウンの一角。 丘陵地の為に雛壇に配されたプレハブ住宅たちも徐々 に形を変え、緑は生い茂り、それなりに落ちついた町 へと変貌を遂げている。 目の見えない女性はニュータウンの進化と共にここで 年を重ねてきた。

目の見えないことがどんなことなのか実際に目をつぶ って行動してみたりする。しかし、生活すべて人生す べて常に見えないとはどんなことなのか、本人にしか わからないような気がする。
彼女にとって、その回りに広がる空間は前も後ろもそ んなに大差はない。どちらも見えないのだから。 通常、明かりの元で私たちは生活する。そこに彼女も いる。
しかし、彼女自身の世界(部屋)へと訪れると、彼女 は暗がりの中で自由に行動している。それさえも私た ちには見えない。

この住宅は彼女のガイドとなるスロープとそれを挟む 壁でゆるやかに全体を包み込んでいる。 彼女は両手でしっかりと壁を確認しながら家の中を歩 んでいく。高速化、簡易化される現在において、スロ ープは、長く、遅く、気の遠くなる存在である。しか し、微妙な変化を発見できるかもしれない。


*図面リスト*

アイソメ図 平面図 スロープ展開図


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