「ファジィ」とは

「ファジィ」という言葉を聞いたことがありませんか? 「ファジィ」、英語では fuzzy と書きます。英和辞典を引いてみますと次のように書いてあります。

fuzzy : けば[綿毛]状の;けば[綿毛]でおおわれた.
<見えるものが>(端・縁の)ぼやけた;<考えなどが>不明瞭な;
(酔って)頭のもうろうとした.

つまり、「ファジィ」とは、ものごとの境界がぼやけてはっきりしない状態のことです。 実はこのファジィ、私たちにはとても身近なものですが、コンピュータにとっては大変やっかいな代物なのです。例えば、私たちが、人の年齢について話しをする場合、「あの人は若い」とか「あの人はベテランだ」という表現を使います。この場合、別に20歳だとか、60歳といった数字を使わなくても話が通じます。私たちは、ファジィな表現を使って対話しているのです。しかし、コンピュータと対話するときには、そうはいきません。コンピュータは、はっきりとした数字でなければ理解してくれません。そのため、人間の持っている経験や熟練した技術、微妙なコツなどを、コンピュータに理解させることは非常に困難です。

そこで、1960年代の中頃にアメリカの大学の先生が、人間の言葉に含まれるファジィな表現を、コンピュータに理解させるための方法を考え出しました。それによって人間の持っている知識を、コンピュータに理解させることが容易になったのです。その方法を応用すれば、いろいろなものを作ることができます。乗り心地の良い電車、自動的に走行するロボット、使いやすい家電製品などです。既に実用化されているものもたくさんあります。宮田研究室では、そうしたファジィの応用に関する研究に取り組んでいます。5年生の卒業研究でも、ファジィに関係する事柄を研究テーマとして取り上げています。


「ファジィ」を応用した走行ロボット

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