米子工専60年誌
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年4月には、平成28年に設立された「米子高専リベラル32Yonago National College of Technology 60th anniversary1.図書館改修2.リベラルアーツセンター発足3.中国・四国地区高専図書館長会議4.読書感想文・エッセイコンクール 専門的知識や技術に加えて、高専教育には、人間や社会に関する深い理解と広い見識、また実践を通して得られる洞察力と感性等の実践的な教養(アクティブ・リベラルアーツ)が求められているとして、平成28年4月に「米子高専リベラルアーツセンター」が設立された。そして、同年5月に開催された設立式・研究会で、以下の使命と役割が掲げられた。①  アクティブ・リベラルアーツを実践し統括するための校内活動拠点②  高専教育と学生の活動を地域・社会に発信する機関③  高専制度・高専教育の特色、これからの産業を担う技術者に必要な教養教育とは何か等、について研究する機関 その後、当センターの活動を経て、令和6年4月には、「図書館・リベラルアーツセンター」が発足し、リベラルアーツにおける基本的な学習活動を『読書活動』と捉えて、学生の活動を支援することとなった。 昭和55年に、中国地区の高専図書館が共通に抱える問題を話し合う情報交換の場として組織された中国地区高専図書館長会議は、平成12年には四国地区の高専にも呼びかけて、中国・四国地区高専図書館長会議として発足した。会議は隔年で、担当校は持ち回りで行われている。 昭和49年から校内読書コンクールが行われており、平成6年からはエッセイ部門も新設されて、「校内読書感想文・エッセイコンクール」となった。令和2年までは本科生および専攻科生を対象に、それ以降は本科1年生を対象に実施している。提出された作品の中から、最優秀賞1編以内、優秀賞:2編以内、佳作3編以内を選定し、賞状・副賞を授与している。また、入賞作品(最優秀賞及び優秀賞)は『としょぶらり』に掲載している。 図書館は、昭和48年に開館してから令和5年で50周年を迎えた。この間、年々蔵書冊数も増え、教育と研究をめざす高専にふさわしい施設として充実の一歩をたどってきた。平成16年度には、教育と研究の高度化・活性化を図ることを目的に、「図書館」と「システム化技術教育・開発センター」の情報教育部門とを統合して、「図書館情報センター」が新設され、その後の耐震補強をからめた平成26年4月のリニューアル・オープンの際には再び組織が見直され、「図書館情報センター」は「図書館」と「情報教育センター」に機能を分けた。また、令和6アーツセンター」との統合によって、「図書館・リベラルアーツセンター」が発足し、図書館にてリベラルアーツに関する支援を行うこととなった。 図書館は平成26年4月に耐震改修を主目的に全面リニューアルされた。新しい図書館は、学生達の利便性に配慮し、建物内のどこでも本が読める空間を目指し、入口もアクセスのよい校舎玄関側と食堂側の2か所に設け、そこに本の持ち出しを監視するゲートが設置された。館内に入ってすぐの交流プラザは自由で活気のある学びを促す空間となっており、ガラス扉で仕切られた奥の閲覧室は静かな環境の中で図書に囲まれ、集中して学習に取り組める空間がデザインされている。また、外光を多く取り入れた明るくかつ落ち着いた雰囲気の館内には至るところに地域の自然を描いた絵画が掛けられ、授業の合間や放課後に訪れる学生の休息と思索の場になっている。図書館リニューアル第2編 最近の10年第5章 図書館・リベラルアーツセンター

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