米子工専60年誌
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(2)PBL科目 (3)総合工学科の課題図2に総合工学科のカリキュラムを示す。高学年になる(1)総合工学科の誕生図3 PBLの授業風景Yonago National College of Technology 60th anniversary411.総合工学科第10章 総合工学科・各部門・専攻科目のほかに数理・データサイエンス科目、PBL(Problem Based Learning)科目、情報系科目が組み込まれており、総合工学科の学習目標にしたがった科目構成になっている。上級生のカリキュラムにも医工学・ヒューマンデザイン科目、PBLなどが組み込まれ、多面的な課題解決能力の習得を目的とした科目構成になっている。さらに、英語での授業も一部で実施されており、技術者の国際化に対応することも目指している。 PBL科目は2年生および4年生に組み込まれている。PBL科目は2年生と4年生の合同授業となっており、グループワークを通して一緒に活動する科目である。2年生はPBL科目を通して問題発見能力、問題解決能力について論理的に進めていく思考法を学ぶ。4年生は2年生の授業に加えて、チームをリードしていくリーダーシップについても学ぶ構成となっている。チームで検討したことをプレゼンテーション資料としてまとめ、それを発表することで自分たちの意見、考えを他者に理解してもらうことを学ぶ。図3にPBLの授業風景を示す。 総合工学科がスタートした令和3年度はコロナ禍の真っ只中にあり、授業の実施にも困難がある中で教職員と学生が一体となって総合工学科を前進させてきた。総合工学科がスタートしてからまだ5年を経過していないため、その評価はこれからであるが、一般に総合工学科になると幅広い教育を受けられる一方で専門教育の質低下が心配される。総合工学科についてはPDCAサイクルの実行によってより充実した教育を目指す。(森田一弘) 令和3年度の学科改組により、それまでの5学科制から単一学科5コース制となった。その目的は、現代における社会的要請である幅広い知識と深い専門知識を有する技術者の育成である。図1に総合工学科におけるキャリア形成の仕組みを示す。入学直後の1年生から2年生前期までは混合クラスとして学習する。混合クラスにおいては全コースに共通する基礎知識、技術の習得を目指し、技術者キャリアの起点を形成する。2年生後期から各専門コースに配属される。ここから深い専門知識を身につけていく。一方、高学年においても専門教科だけの授業だけでなく、他コースの授業を一部受講できるようになっている。これにより、社会的課題に対しても多面的な視点で解決できる素養を持った技術者を育成する。にしたがい、専門科目の時間が授業の多くを占めるようになるが、下級生の科目の中にも各コースの専門基礎科図1 総合工学科のキャリア形成図2 総合工学科のカリキュラム

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