物質工学科の主要設備 核磁気共鳴装置 (NMR) BRUKER AVANCE III HD 走査型電子顕微鏡(SEM) /エネルギー分散型X線分光器(EDX) JEOL JSM-6610 高周波誘導結合プラズマ 発光分光分析装置(ICP-AES) SII SPS3520UV 【原理】 磁気モーメントを持つ原子核を磁場中に置くとゼーマン効果によりいくつかのエネルギー状態が生じる。このエネルギー差に相当する周波数を持つ電磁波を照射すると、分裂した核スピン状態間の遷移に基づくエネルギー吸収が観測される。共鳴吸収位置(化学シフト)は、原子の結合状態や周囲の環境により異なる。 【応用】 化学シフトの相違により、有機合成品、ビタミンやタンパク質などの生体物質など、様々な種類の化学物質の同定や構造推定を行うことができる。 また、共鳴吸収の強さから定量分析への応用も可能である。試料を溶液にした状態での測定が一般的であるが、固体の構造や結合に関する情報を得られる固体NMR装置もある。 【原理】 電子線を試料表面に照射した場合,一部の電子は物質を透過し,また照射部表面近くから反射電子,二次 電子,X線などが放出される。走査型電子顕微鏡は,二次電子を検出することにより,試料表面の形状観察を行う。電子線の波長はX線よりも短いため,試料表 面の微小構造を観察できる。また,エネルギー分散型X線分光器は電子線の衝突により試料表面近傍から放出されるX線(特性X線)を測定することにより試料 中の元素の定性・定量分析ができる。 【応用】 無機・有機材料の表面観察,材料破断面の観察,含有元素の定性・定量分析,微小領域の元素分析ができる。また,低真空モードがあるため,生物試料の形態観察にも応用できる。 【原理】 試料中の原子にエネルギーを与えると,電子励起が起こり,再び低エネルギー準位へ遷移する。このとき,余剰のエネルギーを光として放射するが,放射される 光の波長は元素固有であるため,光の波長とその強度を測定することにより,試料中に含まれる元素の定性・定量分析ができる。ICP-AESでは,高周波に よりアルゴンガスをプラズマ炎(約8000℃)とし,これを励起源としている。 【応用】 ICP-AESは高感度・高精度で分析濃度範囲が広いうえ,70種類にも及ぶ元素を分析できる。また,マトリックスの影響が小さく,多元素を同時または逐次分析できる。製品の品質管理のための成分分析や環境分析などに広く利用される。 単結晶X線構造解析装置(単結晶XRD) Bruker D8 Quest X線回折装置 (XRD) Rigaku MiniFlex600 原子吸光分析装置 (AAS) Termo Scientific iCE3000 【原理】 X線が結晶に照射されると、結晶格子面で反射した後、お互いに干渉しあいブラッグの式の条件を満たす方向の回折線のみ強度が増大し、それ以外は打ち消し合って観測されない。回折線の出現する角度とその強度を測定することにより、物質の繰り返し構造を決定できる。晶構造解析法は、三次元周期構造を持つ結晶に一定波長のX線(電磁波)が入射した時に起る回折現象を利用する。 【応用】 結晶X線結晶解析は、結晶中での分子構造やその配列を三次元構造として、ほとんど任意性を含まずに容易に決定できる点 【原理】 X線が結晶に照射されると、結晶格子面で反射した後、お互いに干渉しあいブラッグの式の条件を満たす方向の回折線のみ強度が増大し、それ以外は打ち消し合って観測されない。回折線の出現する角度とその強度を測定することにより、物質の繰り返し構造を決定できる。 【応用】 X線回折法は、粉末や多結晶体、板状のような固体試料のほか、液体試料にも一部適用できる。面間隔dは、一般に物質固有の値で、ひとつの物質の数個のdとそれに対応する回折X線の強度を測定することにより、試料の同定、新規・未知試料の結晶構造解析、混合物の定量分析、測定試料の結晶状態や結晶の大きさ、結晶の歪み測定を行うことができる。 【原理】 試料を高温(約1000~3000℃)で熱遊離すると、気体状態の原子が生成する。この原子蒸気中に、その濃度を測定したい原子が存在する場合、その原子が吸収する特定波長の光を照射すると、吸光現象が起こる。吸収する光の波長を調べれば、試料中に含まれる原子の種類が特定できる。また、原子の濃度(数)と光吸収の強度は比例関係にあるため(ランバート-ベールの法則)、試料中の着目している原子の濃度を決定できる。 【応用】 原子吸光分析は、非常に高感度で、共存イオンの妨害が少なく、選択性が良い。一次試料を溶液化できれば、あらゆる試料と金属元素に適用できるため、材料分析や環境分析に活用することができる。 微量元素分析装置 (CHNSO) PerkingElmer 2400II 熱分析装置 (TG/DTA・DSC) HITACHI TG/DTA7300, DSC7020 ガスクロマトグラフ・質量分析装置 (GC/MS) 島津製作所 GCMS-QP2020NX (2022年更新) 【原理】 化合物を純酸素環境で酸化し、二酸化炭素、水、窒素及び二硫化硫黄に変換する。ハロゲンのような元素は還元ゾーンで除去される。残ったガスを均質化し、圧力・温度・体積の条件を精密に制御した後、ガスクロマトグラフにより段階的に分離し、それぞれの熱伝導率の関数として検出する。有機化合物や無機化合物中の炭素・水素・窒素・硫黄の含有量を精密に測定できる。 【応用】 有機化合物の化学式の決定、無機化合物中の元素分析などに広く用いられる。 【原理】 熱重量分析:試料温度を上昇させながら、試料の質量変化を熱天秤により検出する。 示差熱分析:試料を基準物質とともに一定の温度上昇率で加熱すると、試料が物理的・化学的変化により発熱または吸熱し、生じた温度差を記録する。 示差走査熱量測定:熱的に切り離された試料と基準物質に対して別々に熱エネルギーを与えることにより、両者の温度を保つために必要なエネルギー所要量の差を測定する。 【応用】 TG-DTA:固体試料からの気体の脱離や試料の融解など、物理的変化や酸化・分解などの化学反応などの解析。 DSC:相転移や融解などの物理的変化の測定。 【原理】 GC:固定相に対する移動相の吸着性の違いにより、カラム内の移動速度に差を生ずることを利用して混合物の分離を行う方法を一般にクロマトグラフィーと呼ぶ。移動相に気体を用いる場合をガスクロマトグラフと呼ぶ。 MS:試料をイオン化し、イオン化された試料分子及びその分子の断片イオンを、磁場型あるいは四重極型の装置により質量/電荷数の大きさに応じて分離し、質量スペクトルを得る方法である。 【応用】 分子の構造解析に用いられ、簡単な無機分子から複雑な有機化合物まで応用可能であり、わずかの試料があれば測定可能で、質量スペクトルのピーク位置により定性分析、また、ピーク高さから定量分析が行われる。 フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR) 日本分光 FT/IR-4100 紫外可視分光光度計 (UV-Vis) 日本分光 V-770 (固体対応) (2022年更新) 日本分光 V-750 (液体専用) (2020年更新) 比表面積細孔分布測定装置 (BET) MICROTRC BELSORP MINI X (2022年更新) ゲルクロマトグラフィー (GPC) 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 生物顕微鏡 超遠心分離機 冷却遠心分離機