• 医工連携の推進

    本校と鳥取大学医学部は、平成28年11月15日、包括連携協力に関する協定を締結しました 。氷室校長と、この度本校に新設された医工連携研究センターのセンター長を務める大塚茂校長補佐(企画)に、本協定について伺いました。(広報室)
協定の概要とその意義について

校長 氷室 昭三

 この協定は、双方が有する専門的な知見や情報を共有し、連携を図ることにより、地域産業の発展と人材育成に貢献することを目的としており、特に、医療福祉分野の研究開発および医学・工学における人材の協働教育による育成を通じて地方創生事業の一翼を担い推進しようとするものです。
 米子市は、医師数、病床数のいずれも全国平均を大きく上回り、高水準の医療資源が整う山陰の医療の中心です。その中核をなすのが鳥取大学医学部ですが、従来の医療単独分野では不十分とされてきた医療工学技術に対して、医・工学の各分野が有機的に連携を図り、医工連携分野に進出する企業との産学連携を通じて、「ことづくり」とイノベーティブな技術者育成を図ることが本協定の大きなねらいです。
 我々が、今後取り組んでいく課題のキーワードとして、サステナビリティ、ジェロントロジー(老年学)、ライフイノベーション、グリーンイノベーションなどありますが、今回の協定が両者間でのこれらの分野における共同研究の実施はもとより、より広くさまざまな分野での共同プロジェクトの開拓や学生や教職員の交流を円滑にさせ、両者のいっそうの発展につながっていくと思っています。

協定の経緯、並びに今後の展開について

校長補佐(企画)・医工連携研究センター長
大塚 茂

 この度、一年越しの交渉を経て鳥取大学医学部と本校との包括連携協定が締結される運びとなり、今後は鳥取県西部における地方創生事業にとっても大変有意義且つ、両学学生のキャリアパスの多様性確保や融合・複合領域に亘る教育・研究効果としても大いに期待が持てます。
 本連携に関するこれまでの経緯は、昨年11月に本校にて地域協働教育と共同研究についての具体的協議が実施され、さらに12月には医学部附属病院内にて、北野医学医療担当理事と清水附属病院長、並びに本校校長(齊藤前校長)との対談により正式に包括連携協定締結に向けての意思決定が成されました。同時に、今年度に向けて米子高専内に医工連携研究センターを設置し、医工連携に関する具体的な相互協働教育と連携研究テーマを実質的に進める旨が承認されています。
 思えば、本校機械工学科に人工股関節の研究者を採用するにあたり、初めて医工連携研究を創起し現鳥取大学学長である豊島先生をお訪ねしたのが2006年のことでした 。それから10年の道程を経て、鳥取県西部地区における医療工学技術に関する地域協働教育(Key Education)と地方創生事業(Key Technology)の「掛け橋」ともなる本協定が締結されるのは大いなる契機といえます。
 現在の具体的な連携研究テーマとしては、既に株式会社テムザック技術研究所とユニバーサルビークルをはじめとする5つの医療機器開発テーマを進め成果も出始めています。今後は、医学部と本校との相互講師派遣による地域協働教育や大学院医学系研究科博士課程への進学、製販を見据えた医療介護機器に係わる共同研究• 開発事業などにより、「とっとり医療機器バレー構想(次世代高度医療推進センター提唱)」を実現する上で、中核を成す連携組織に発展することを願ってやみません。

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